難病への取り組み

多系統萎縮症 難病の施術

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多系統萎縮症 難病の施術

当院の難病治療について

多系統萎縮症は原因不明の難病であり、当院の治療で根本的に治すことはできません。当院が目的としているのは、次の3点です。

  1. 自律神経不調の緩和と、日常動作をできる範囲で維持すること
  2. 自分の足で動ける生活、自立した日常動作をできるだけ長く保つこと
  3. 廃用による機能低下を防ぎ、寝たきりの状態になるまでの時間をできるだけ先延ばしにすること

治すための治療ではなく、「今の状態を、できるだけ長く、できるだけ楽に維持するための治療」として位置づけています。

難病のQOL悪化の流れ 図解
頭皮鍼と運動療法で、筋力の低下を防ぎ、筋力のコントロール維持します。それにより、この段階的な悪化を防ぎます。

多系統萎縮症とは

多系統萎縮症(Multiple System Atrophy、MSA)は、成人期に発症する神経変性疾患です。神経細胞とオリゴデンドログリアにαシヌクレインというたんぱく質が蓄積し、進行的に細胞が変性していくことで発症します。

初期症状としては、小脳性運動失調、パーキンソン症候群、起立性低血圧などの自律神経障害が現れます。画像診断では脳幹や小脳の萎縮、線条体の異常が見られ、組織病理にも共通性があることから、これらをまとめて「多系統萎縮症」と呼んでいます。

多系統萎縮症は、現れる症状の中心によって次の3つに分類されます。

  • オリーブ橋小脳萎縮症:小脳性運動失調が主体で、歩行困難や手の震えなどが現れます。小脳の障害が中心となるタイプです。
  • 線条体黒質変性症:パーキンソン症候群に類似した症状が主体で、筋肉のこわばり、震え、運動の遅延などが見られます。
  • シャイ・ドレーガー症候群:自律神経障害が顕著なタイプで、起立性低血圧、尿失禁、性機能障害などが特徴です。

原因は現在も明らかになっておらず、運動機能と自律神経機能が徐々に障害されていく難病です。国の指定難病にもなっており、根本的な治療法は確立されていません。

原因が特定されていない疾患である以上、鍼灸や運動療法によって病気そのものを止めたり治したりすることはできません。当院がこの疾患に対して行うのは、あくまで症状の緩和と進行の速度を緩やかにするための対症療法です。

その中で当院が組み立てているのが、頭皮鍼と運動療法を組み合わせたアプローチです。それぞれが働きかける対象が異なるため、両方を並行して行うことで、中枢・末梢・自律神経の3方向から症状にアプローチできると考えています。

鍼治療の施術イメージ 新潟すばる鍼灸・リハビリ整体

頭皮鍼による中枢神経系へのアプローチ

頭皮鍼は、頭部への鍼刺激によって脳血流を促進し、脳内の神経活動を賦活させることを狙った鍼法です。頭部には血管や神経がメッシュ状に密に分布しており、頭皮・帽状腱膜への刺激が脳血流の増加や自律神経の調整に働くことが報告されています。中国では「頭針」として、脳血管障害の後遺症など中枢神経系の症状に対して古くから用いられてきました。

多系統萎縮症では小脳や脳幹の萎縮が進行しますが、萎縮した組織そのものを回復させることはできなくても、残存している神経ネットワークの血流や活動性を高めることで、運動失調やふらつきなどの症状の緩和、進行の緩徐化につながる可能性があると考え、当院では頭皮鍼を治療の柱の一つに据えています。

運動療法イメージ 新潟すばる鍼灸・リハビリ整体

運動療法による末梢神経・体幹機能へのアプローチ

もう一方の柱が運動療法です。多系統萎縮症では、小脳性運動失調やパーキンソン症状によって体幹の安定性やバランス能力が低下し、それを補おうとする過緊張や、逆に使われなくなることによる筋力低下が併存します。

当院の運動療法では、体幹の抗重力筋を中心とした筋力維持・強化と、末梢からの感覚入力を高める運動を組み合わせ、姿勢保持やバランス能力の維持を図ります。理学療法・運動療法は、多系統萎縮症を含む神経変性疾患の診療において、運動機能維持を目的として広く推奨されている介入です。エビデンスの蓄積は疾患の希少性ゆえまだ十分とは言えませんが、廃用による機能低下を防ぐという観点からは、有効性を支持する報告が積み重ねられています。

自律神経症状へのアプローチ

起立性低血圧、排尿障害、発汗異常といった自律神経症状も、多系統萎縮症の生活の質を大きく左右します。鍼治療には自律神経系のバランスを整える作用があることが知られており、交感神経の過緊張を抑え、副交感神経系の働きを引き出すことで、これらの症状の緩和に寄与すると考えています。

よくあるご質問

Q. 鍼灸で多系統萎縮症が治りますか?
A. 治すことはできません。原因が特定されていない難病であるため、当院の治療はあくまで症状の緩和と進行を緩やかにすることを目的とした対症療法です。この点は誤解のないようご理解いただいた上でご相談ください。

Q. どのくらいの頻度で通院する必要がありますか?
A. 症状の程度や生活状況によって異なります。初めは短い間隔で状態を確認しながら、体への反応を見て頻度を調整していきます。

Q. 進行してからでも治療の効果はありますか?
A. 軽症の段階に比べると効果を実感しにくくなる傾向はありますが、症状緩和や現状維持を目的とした施術自体は可能です。ただし通院が困難になった場合は、訪問対応のサービスへの切り替えをおすすめすることがあります。

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